反物語主義

小説の公開を主たる目的としたページです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

読書録:大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件(前編)

2020年最初の一冊にして、本ブログで紹介する記念すべき初めての一冊は カーク・ウォレス・ジョンソン 著 矢野真千子 訳 「大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件ーなぜ美しい羽は狙われたのか」 である。 装丁 細部までこだわりを感じる美しい装丁 この本を取り…

「無題」

前回に引き続き、夏目漱石の「夢十夜」に強く影響を受けている作品。第三夜の雰囲気を意識して書いた。導入などは、完全に本家を踏襲している。たしか去年の秋頃に書いたものだ。 私が実際に見た夢を題材にした。普段の私は、眠りが深いのかほとんど夢を見な…

「虫籠」

この作品も前回の「彫刻家」同様、大学の文芸会で発表した作品である。お題は「ハッピーエンドにならない小説」だった。 ブログタイトルに「反物語主義」とあるように、ここ最近の私は「ストーリーとの訣別」をテーマに創作を行っている*1ため、私の作品には…

「彫刻家」

大学の文芸会にて「夜景」というお題で書いた作品。ストーリーを極力排する事に努めた。近い時期に書いた別作品から、ひょっとすると自分の文体には暴力描写が似合うのではないか、という思いつきを得たため実験的に試みた作品でもある。 周囲の人々にも読ん…

経緯

文学はチラシの裏に書き殴って机の引き出しに放り込んでおけばそれだけで作品として成立している、というのは私が常日頃から主張している持論である。 最近私が好んで読んでいるポルトガルの作家フェルナンド・ペソアは、生前は詩集を一冊出版したのみの無名…